2014年11月29日

encoding.js 1.0.12 リリースしました

JavaScript 文字コード変換ライブラリ encoding.js 1.0.12 リリース しました

アップデート内容

  • UTF-8 <=> JIS 変換テーブルのバグ修正 (文字化けが直りました)
  • JIS X 0208 を対象にした変換テストが通るようになりました
  • ファイルサイズが約60% 減りました
  • 実行速度が向上しました
  • convert で引数にオブジェクトが渡せるようになりました

UTF-8 <=> JIS 変換テーブルのバグ

UTF-8 から JIS, JIS から UTF-8 への変換テーブルが変なことになってました。
変換テーブルは MS 基本コードポイント (Unicode) を参照していましたが、 UTF-8 に変換する際に無効なコードポイントになってしまい文字化けが発生していました。
MS 基本コードポイントと IBM 基本コードポイントの差は以下のようになっています。

コードポイント:
文字名 IBM CP (Unicode) MS CP (Unicode) IBM CP (UTF-8) MS CP (UTF-8)
― (全角ダッシュ) U+2014 U+2015 E28094 E28095
~ (波形ダッシュ) U+301C U+FF5E E3809C EFBD9E
∥ (二重縦線) U+2016 U+2225 E28096 E288A5
- (負符号) U+2212 U+FF0D E28892 EFBC8D
U+00A2 U+FFE0 C2A2 EFBFA0
U+00A3 U+FFE1 C2A3 EFBFA1
U+00AC U+FFE2 C2AC EFBFA2

encoding.js の場合、MS コードポイントのまま変換しようとしていまい、対応する文字がなく '?' などになってしまっていました。
これは元々直したつもりでいたのですが、 encoding.js 1.0.10 Line 2973 あたりを見てみると以下のようになっていて
0xEFBC8F:0x213F,0xEFBCBC:0x2140,0xE3809C:0x2141,0xEFBD9E:0x2141,0xE288A5:0x2142,
そもそも 0x2141 が消しきれてなくて重複していたり、対応する JIS テーブルに文字がなくて変換すると 1文字分消えてしまったりと、 バグが多かったのですが
今回、IBM 基本コードポイントの差分によって変換してあげることで、ぶじ文字化けが解消されました。

JIS X 0208 を対象にした変換テストが通るようになりました

この変換テーブルの修正により、JIS X 0208-1997 (JIS規格 第一・第二水準漢字) を対象にした変換テスト (UTF-16, UTF-8, Shift_JIS, EUC-JP, ISO-2022-JP(JIS)) が通るようになりました。 また、Unicode サロゲートペア の処理も修正しています。

ファイルサイズが約60% 減りました

encoding.js では、変換テーブルだけでかなりのサイズを占めています。
前バージョンまでは、JIS→UTF-8 テーブルと UTF-8→JIS テーブルの 2つを保持していたのですが、
今回、UTF-8→JIS のみを静的に持ち、JIS→UTF-8 変換が必要になった際、動的にもう一つのテーブルを生成するようにしました。
生成されるのは呼ばれた最初の 1回のみです。
その際の速度が気になり、ベンチとってみましたが 約 2~5ms 程度で問題ないと思われます。
ファイルサイズは非minifyで 261KB (min: 219KB) だったのが 152KB (min: 116KB) になり、約60% 減らすことができました。

実行速度が向上しました

前までは、変換テーブルに文字があるかないかを、if (TABLE[c] === void 0) { ... } みたいな感じで判断していましたが、
これは非常に遅く、また in を使うより hasOwnProperty が速く、実行環境にもよりますが
var hasOwn = Object.prototype.hasOwnProperty.call.bind(Object.prototype.hasOwnProperty);
if (hasOwn(obj, key)) { ... }
のように bind して使うよりも hasOwnProperty.call(obj, key) のほうが若干速かったため、後者を採用しています。

変換速度は、1MB の日本語テキスト (UTF-8) に対して SJIS に文字コード変換した場合、平均 約 50ms. (EUC-JP, JIS 等も同程度)、
UNICODE (UTF-16) から UTF-8 とその逆は約 5ms ほどで、前よりだいぶ速くなりました。

convert で引数にオブジェクトが渡せるようになりました

convert の第二引数に Object を渡せるようになりました。
// 以前の指定の仕方 (SJISに変換)
var sjisArray = Encoding.convert(unicodeArray, 'SJIS', 'UNICODE');

// Object で指定
var sjisArray = Encoding.convert(unicodeArray, {
  to: 'SJIS',
  from: 'UNICODE'
});
前のように 第二引数を to, 第三引数を from として文字列で渡しても動きます。


文字化けという大きなバグを修正しているので、アップデートをおすすめします。

Download


Node.js では、encoding-japanese というモジュール名になっています
npm install encoding-japanese
var encoding = require('encoding-japanese');

上のようにして利用できます。

encoding.convert() は Buffer に対しても使えます(配列で返ります)

Demo

Repository




2014年10月16日

LZアルゴリズムでBase62に圧縮するJavaScriptライブラリ書きました

LZSS(LZ77) 圧縮アルゴリズムで文字列を圧縮/解凍します。
圧縮された結果は Base62 (0-9A-Za-z) からなるバイナリセーフな文字列になります。
サイズ制限のある localStorage や sessionStorage, cookie など、 例えば localStorage は 5MB 使えたとしても UTF-16 の場合、実質的に 2.5MB 分になってしまします。
圧縮結果は内容にもよりますが おおよそ 60~80% 程度のサイズになります。
例外として、繰り返しのない文字列は1~2割程度サイズが増えることがあります。

追記

2014-10-24 現在、高速化にすべく見なおして圧縮率も上がりました。
繰り返しのない文字列 (例えば U+0000 - U+FFFF 1文字ずつなど) も大幅なサイズ増加なく圧縮できます

var data = 'hello hello hello';
console.log(data.length); // 17

var compressed = lzbase62.compress(data);
console.log(compressed); // 'tYVccfrgxGL'
console.log(compressed.length); // 11
console.log(compressed.length < data.length); // true

var decompressed = lzbase62.decompress(compressed);
console.log(decompressed); // 'hello hello hello'
console.log(decompressed === data); // true

Download

※バージョンが違うとフォーマットも違う可能性があります。できるだけ最新バージョンをご利用ください

Demo

Repository




2014年9月25日

JavaScriptが実行できるリアルタイムオンラインエディタ作ってみました

複数人で同期して編集できるWebエディタを探していたのですが、 見つからず・・・

jsfiddlejsdo.it は同時編集できないため、ちょっと探してたのとは違って、
Scratchpad はリアルタイムで編集できてよいのですが、JavaScriptが実行できない。
CodePen は同期するのに PRO アカウントが必要らして、諦めて、仕方ないので作ってみました。

追記:
SyncFiddle はリニューアルし、使用しているフレームワークの構成が変わりました。
URL は http://syncfiddle.net/ になりました。

仕様とか

  • アクセスするとランダムにid振ったページ空間に飛ぶ
  • そのURLを共有すると複数人で同時編集できる
  • 相手のことがわかるのはidだけ
  • コードとカーソル位置がわかる
  • JavaScript コンソールがある
  • その時のHTMLコードを .html で保存できる
  • ページの破棄という機能はないですが、コードを空にしてユーザ数 0 になるとそのうち消える
  • プライベートタブ(シークレットタブ)とか使ってみるとわかりやすいかも

レイアウト

  • PHP フレームワーク PunyApp
  • JavaScript Backbone + r.js
  • エディタは CodeMirror の HTML5 mixed モード

こないだ公開したフレームワーク PunyApp のテストも兼ねて作ってみたのですが、 なにしろサーバが古くて大変。最初は WebSocketにしようと思ったけどフレームワークのテストにならないので pollingしてます。今更ですがサーバーから立て直したほうがよかったです。一応公開してますが、サーバが不安定になるかもしれないです。
Backbone.js と r.js (require.js)、前から触ってみたくて、今回はじめて使ってみました。
自由度が高くて、View周りとかちょっと道を外れると ぐしゃってしまうので注意が必要ですが、 自分にとっては使い心地がよかった。まだまだ勉強中です。



2014年9月6日

軽量PHPフレームワークPunyAppというの作りました


最近、ちまちまとPHP を書くことがあって、 ちょっとしたWebアプリ等作るときに
CakePHP などのある程度規模のあるフレームワークを使うまでもないかなって思うことが多々あり、
そういった用途に 小規模向けなフレームワーク (マイクロフレームワーク) PunyApp というのを作りました。

以前から自分だけで使ってて少しずつ更新して温めていたもので、 ある程度形になったので公開しました。
軽量で中小規模向けなもので、 おおまかな設計は CakePHP を参考にしてて、使い方も似てます。

PunyApp は MVC モデルで他のPHP拡張等は必要ありません。

ダウンロード

要件

  • PHP 5.2.0 +
  • mod_rewrite が有効 (Apache Server)

ライセンス

  • MIT

機能/特徴

  • MySQL, PostgreSQL, SQLite, Posql に対応
  • Controller, Model, Viewアクション
  • フォームのValidation
  • Viewテンプレート変数はデフォルトでHTMLエスケープされる
  • Session (データベース)
  • Cookie (デフォルトで暗号化)
  • データベースエラー時などのEvent
  • サンプルのログインフォームが入ってる


追記

以下の情報はバージョンアップに伴い古くなっているので https://github.com/polygonplanet/PunyApp を参照ください

レイアウト

  • ファイル構成
/application                → アプリケーションディレクトリ
    /controllers            → コントローラ
    /models                 → モデル
    /views                  → ビュー
    /libraries              → 共通ライブラリやヘルパー等
    /storage                → SQLiteなどのファイルベースデータベースやログを保管
        /logs               → /storage配下を書き込み可にしておく
        /databases          → 同様
    /settings               → 設定
        app-settings.php    → アプリケーション設定ファイル
        app-scheme.php      → データベーススキーマ
    /public                 → 公開ディレクトリ
        /css
        /js
        index.php
/lib                        → PunyApp内部ライブラリ
/vendors                    → 外部ライブラリ等を入れるディレクトリ
index.php

Controllers

コントローラのアクションは、GET や POST などのリクエストメソッドで切り分けができます。

class SampleController extends PunyApp_Controller {

  public $models = array('sample');

  /**
   * GET /login
   */
  public function getLogin($params) {
    $this->view->render('sample/login');
  }

  /**
   * POST /login
   */
  public function postLogin($params) {
    $has = $this->sample->hasUser($params['id'], $params['pass']);
    if ($has) {
      $this->session->userid = $params['id'];
      $this->redirect('home');
    }

    // ...

    $this->view->render('sample/login');
  }

  /**
   * Any /login (あらゆるリクエストメソッドに対応)
   */
  public function anyLogin($params) {
    // ...
  }

  /**
   * Before /login (前処理)
   */
  public function beforeLogin($params) {
    if (!empty($this->session->userId)) {
      $this->redirect('home');
    }
  }

  /**
   * After /login (後処理)
   */
  public function afterLogin($params) {
    // ...
  }

  /**
   * GET /home
   */
  public function getHome($params) {
    // ...
  }
}
before や after で前処理などが設定できます。
any は、すべてのリクエストメソッドに対応します。
メソッド名を any だけ (function any() {}) にすると、404 にならずに any が実行されます。
引数 $params はリクエストパラメータが渡されます。

コントローラのメソッド名の命名規則は、

リクエストメソッド名 + アクション名

になります。
GET に対応する hoge だったら、getHoge になります。

URL は、
http://www.example.com/コントローラ名/アクション名

となります。
アクション名は、リクエストメソッド名を外した名前です。
SampleController で getHoge の場合は、
http://www.example.com/sample/hoge
という感じになります。 ファイル名は sample.php です

AnyController (any.php) という名前にすると、すべてのリクエストに対応します。

Models

モデルは、PDO を使っているのもあり 基本的にプリペアドステートメントを使って実行します (プレースホルダ)。

class SampleModel extends PunyApp_Model {

  public function addUser($userid, $email, $pass) {
    // Insert
    $sample = $this->newInstance();
    $sample->userid = $userid;
    $sample->email = $email;
    $sample->pass = sha1($pass);
    return $sample->save();
  }


  public function deleteUser($userid) {
    return $this->delete(
      array('userid' => '?'),
      array($userid)
    );
  }


  public function getUser($userid) {
    return $this->findOne(
      array(
        'fields' => array('id', 'userid', 'email'),
        'where' => array('userid' => '?')
      ),
      array($userid)
    );
  }


  public function hasUser($userid, $pass) {
    return $this->has(
      array(
        'where' => array(
          'userid' => ':userid',
          'pass' => ':pass'
        )
      ),
      array(
        ':userid' => $userid,
        ':pass' => sha1($pass)
      )
    );
  }
}

  • array find ( array $query = array(), array $params = array())

find() の引数 $query は、 'distinct', 'fields', 'from', 'as', 'joins', 'where', 'group', 'having', 'order', 'limit', 'offset' が使えます。
  public function getUserByName($name) {
    return $this->find(
      array(
        'distinct' => false,
        'fields' => array(
          'U.id AS id', 'U.name AS name',
          'U.category AS cat', 'P.url AS url'
        ),
        'as' => 'U',
        'joins' => array(
          'type' => 'LEFT',
          'table' => 'profile',
          'as' => 'P',
          'on' => array('U.id' => 'P.id')
        ),
        'where' => array(
          'name' => ':name'
        ),
        'group' => 'cat',
        'order' => 'id DESC',
        'limit' => 10,
        'offset' => 5
      ),
      array(
        ':name' => $name
      )
    );
  }
ある程度のクエリは扱えます。

モデル内では $this->getDatabase() が PDO として使えるので、

  public function getName($id) {
    $sql = 'SELECT name FROM foo WHERE id = ?';
    $stmt = $this->getDatabase()->prepare($sql);
    $stmt->execute(array($id));
    return $stmt->fetchAll(PDO::FETCH_ASSOC);
  }
上のように直接クエリを書いてもいいですが、
直接クエリを書かずにモデルの find() や delete() 等を使うメリットとしては、
'created''modified' というフィールドが自動てセットされることが大きいです。 テーブル定義にあらかじめ created もしくは modified を定義しておくと、 insert (save), update のタイミングでそれぞれ現在時刻を設定します。
integer や int(11) で定義すると 現在の time() が設定されます。
datetime は Y-m-d H:i:s になります。
varchar(255) で定義すると現在時刻をミリ秒で設定します。
  • created : 作成された日時
  • modified : 更新された日時
これらはアプリケーション側で created, modified をパラメータに扱う場合は無視されます。

コントローラでのモデル定義は $models に使うモデル名(テーブル名)を記述します。

class SampleController extends PunyApp_Controller {

  public $models = array('sample');

  public function getLogin($id) {
    $user = $this->sample->getUser( ... );
  }
}

Views


$this->view->text = 'Hello!';
$this->view->render('index');
ビューでは PHP本来が持ってるテンプレートを使います。

<html>
  <body>
    <h1>Sample</h1>
    <?php echo $text; ?>
  </body>
</html>

テンプレート変数はデフォルトでHTMLエスケープされます。

  $this->view->text = '<script>alert(1)</script>';


  <p><?php echo $text ?></p> // &lt;script&gt;alert(1)&lt;/script&gt;


Validation

リクエストパラメータのバリデーションはコントローラ内で行います。

class SampleController extends PunyApp_Controller {

  public $validationRules = array(
    'id' => array(
      'required' => true,
      'rule' => array('regex', '/^[a-z0-9]{1,10}$/i'),
      'message' => 'Only letters and integers, max 10 characters'
    ),
    'email' => array(
      'required' => true,
      'rule' => array('email'),
      'message' => 'Invalid email address'
    ),
    'pass' => array(
      'required' => true,
      'rule' => array(
        array('minLength', 4),
        array('maxLength', 20)
      ),
      'message' => 'Min 4 characters, max 20 characters'
    )
  );

  // ...
}
バリデーションのルールは
email, url, ip, between, minLength, maxLength, regex
等が定義されています。または自分で定義します。

その他、コールバックが使えます。

  $this->validationRules['nickname'] = array(
    'required' => true,
    'rule' => array('callback', function ($value) {
      return preg_match('/^[ぁ-ん]/u', $value) && preg_match('/[!]$/u', $value);
    }),
    'message' => 'ひらがなではじまって「!」で終わらないとダメです'
  );
$this->validate() で実行します。 任意のルールを引数に渡すこともできます。
引数を省略すると $validationRules に対して実行します。

class SampleController extends PunyApp_Controller {

  // ...

  public function postLogin($params) {
    if ($this->validate()) {
      // ...
    }
  }
}
以下のViewメソッドからメッセージを取得できます。

追記

以下の情報はバージョンアップに伴い互換性があるかわかりません
詳細は https://github.com/polygonplanet/PunyApp を参照ください

  • 名前を指定して取得 : string getValidationError( string $name );
  • 最後のメッセージを取得 : string getLastValidationError( );
  • 全部取得 : array getValidationErrors( );
  • HTML<li>で全部取得 : string getValidationErrorMessages( array $attributes = array('style' => 'color:red') );
コントローラ内では $this->view->getValidationError('hoge') のように取得できます。
ビュー内では以下のようにして表示できます。

  <div class="error">
    <?php echo $this->getValidationError('param_name') ?>
  </div>

インストールと設定

1. 展開したファイルをサーバーの任意のディレクトリに置きます

2. application/settings/app-settings.php を開いて設定します
$settings = array(
  /**
   * System settings
   */
  'system' => array(

    /**
     * Debug mode
     *
     * true = show errors
     * false = hide errors
     */
    'debug' => true, // デバッグモードだとエラーが起きたとき表示される

    /**
     * Timezone
     *
     * e.g., 'America/Chicago', 'Asia/Tokyo' etc.
     */
    'timezone' => '', // 日本の場合はここを 'Asia/Tokyo' に設定しておく

    ...
  ),

  /**
   * Database settings
   */
  'database' => array(

    /**
     * Database engine
     *
     * Available engines: "mysql", "sqlite" and "posql".
     */
    'engine' => '', // 使用するデータベース

    ...
  ),

  /**
   * Session settings
   */
  'session' => array(

    /**
     * Session engine
     *
     * Available engines: "php", "file" and "database".
     */
    'engine' => '', // セッションエンジンを設定

    ...
  )
);
3. データベーススキーマを作成します、または application/settings/app-schema.php に記述します

4. application/storage 配下のファイル、ディレクトリのパーミッションを「書き込み可」に設定します

5. 1 で展開したディレクトリにブラウザでアクセスしてみて、PunyApp ~と表示されたら成功です

6. 実際に作ってみましょう

サンプル

/sample/ にサンプルのログインフォームが入っています。
/sample/ にアクセスして確認できます。




なにかあれば以下のレポジトリのIssues, または @polygon_planet へお願いします。

レポジトリ




2014年4月20日

スマートウォッチPebbleを買ってみて

はじめに

Pebble というスマートウォッチ。

なんとなくウェアラブルな端末について調べてたら、
Pebble というのを知って、調べてるうちにどうやら JavaScript でアプリ開発できるとのこと。 すぐ購入。
理由としてはそれだけじゃないのですが、スマートフォンは家に忘れるから。とか、Pebble のオープンな環境がよかったからとか、 そんなこんなで届いて1週間ほど経ちました。
何も考えずに黒を買ってしまったのですが、赤かオレンジがよかったなぁ・・・と。バンドも変えられて、常に身につけて見えるものだから、 購入を考えてる方は好みの色がいいと思います。

さっそく作ってみた時計画面(Watchface)

Pebble

Pebble Appstore

Pebble は、スマートフォン側の「Pebble」というアプリを通して Bluetooth でやり取りして動いています。
「Pebble」アプリ内から Pebble Appstore に行けます。
Pebble Appstore から Pebbleアプリや時計画面(Watchface) などをインストールできます。
アプリの管理や設定も「Pebble」アプリ内でできます。
画面は E-Ink (厳密には違う?) で白と黒のドットで表されるアナログ感あふれるもの。 それゆえにバッテリーの持ちがすごくいい。

※この記事ではスマートフォン=Androidで書いています

Pebble JavaScript Framework


Pebble のアプリは、基本的に C言語で書いたものを出力しますが、JavaScriptで書くこともできます。
Pebble のプロジェクト内に C と JavaScript の両方のコードを含めることができ、 イメージ的には C で書いたものは Pebble 時計側で動き、JavaScript で書いたコードはスマートフォン側で動きます。
C と JavaScript 間でメッセージのやり取りができ、JavaScript で処理した結果を Bluetooth を通して C (時計側) で受け取れる感じです。
XMLHttpRequestなどの非同期処理、JavaScriptでやりやすいことは余裕のあるスマートフォン側に処理をさせて、 時計側がデータを受け取って表示。時計側の処理を最小限に抑えやすくなります。

Simply.js

これまでは、最低でも時計画面に出力するのに多少は C で書く必要がありました。
そこで、完全に JavaScript コードだけで完結できる Simply.js というアプリがあります。
Simply.js をインストールすると、URL を入力する設定欄がでてきて、ここに JavaScript (.js) のURLを入れると、 Pebble アプリと同様に動かすことができます。


自分のサーバや Dropbox などに .js ファイルを置いて実行できます。

参考: 以下の記事ではサーバのロードアベレージなどを表示させていました
ひとりぶろぐ » 2.0で面白くなったスマートウォッチPebbleを、JavaScriptゴリゴリでネット監視装置として使う

CloudPebble

Pebble の開発環境 CloudPebble は、クラウド上で C のソースがコンパイルできます。
コードは JavaScriptエディタ (CodeMirror)で書けて補完ウィンドウなどもでてきます。
スマートフォンのIPを入れておくと「build」ボタンを押した時に、
PC(ブラウザ)→スマートフォン→Pebble 経由で
書いたコードがアプリになってPebble時計にインストールされ結果が分かる仕組みです。
もはやブラウザだけで開発できる環境。

そして、CloudPebble では、任意の github プロジェクトのURLを入れて「import」ボタンを押すと、 Pebble アプリとして適切か判断した後、自分のプロジェクト内に取り込まれます。
自分のプロジェクトを github に export (push) するのも同様にできます。

新規作成時は C と Simply.js が選べます

実際使ってみて

メインで使ってる時計アプリは、Bluetooth切断時に長めのバイブ機能があるため、
スマートフォンを忘れることがなくなりました。
(ジェネレータで作ったものも同じ機能がつきます)

あとは、メールなどの通知が来た時、
  1. スマートフォンを出す
  2. 画面をタッチ
  3. 内容を確認
とやっていたのが、
  1. Pebbleを見る
だけになったり、
音楽の制御がリモコン感覚で楽になったり…

Android の場合、Tasker というアプリと Pebble の連携で、 ほとんどのことは自動化もしくは ON/OFF するだけで済むようになると思います。
マナーON/OFF、メディア音量調節、消音、マップ起動時にGPS有効、場所を指定してナビ起動、Pebbleから画面ロック/解除等…

変化といえば、あまりスマートフォン画面を見ることがなくなった。

今のところPebbleは日本語表示に難ありですが、 Pebble 日本語 (ひらがな, カタカナ) カスタムファームウェア | pebble 日本語表示 のおかげで助かってます。



何か間違い等ありましたらコメントか http://twitter.com/polygon_planet までお願いします

2014年1月29日

WSH/JScriptをECMAScript標準にするWSHModuleを作りました


WSH/JScript を ECMAScript-262 5th に可能な限り近づける WSHModule というのを作りました。

WSHModule はWSH/JScriptで構築されたJavaScriptのVMです。
可能な限りECMAScript5標準としてJavaScriptを実行します。 スクリプトは、モジュール空間 (Node.js 互換 *1) で実行されます。
WSHModuleは、ECMA-262標準に近づけるためのwscript.exeのアップグレード版として利用することも可能(かもしれません)。
用途によっては、Node.jsを使用したほうが手っ取り早いです。が、JScriptは、Windowsにバンドルされています。 WSHModuleはwscript.exeで実行されるように、UI向けです。 Windowsで拡張子 .js のバッチスクリプトを実行するときに、WSHModule.exe を通すことで、快適な環境になると思います。

*1: Node.js自体がCommonJSの仕様のうち「Module 1.0」と「Unit Testing 1.0」には一応準拠してるだけなので、CommonJS準拠とは言えません

機能

  • ECMAScript5標準の構文をサポート
  • モジュール空間
  • UTF-8で書ける
  • alert, confirm, prompt, setTimeout, clearTimeout, setInterval, clearIntervalが使える
  • (JScript Bug) catchなしのtry-finallyが書ける
  • (JScript Bug) String.prototype.substr, Array.prototype.indexOf, Array.prototype.splice などを ECMA-262標準に修正
  • WSHModule.exe ダブルクリックでシェル画面が開く
  • いくつかのWScriptで扱えない機能をモジュールとして追加(clip, console, fs, util 等)

ダウンロード

要件

以下の環境で動作します
  • Windows (32bit/64bit)
WSHModuleは、環境変数(PATHなど)を登録しないので、必要あれば任意に追加してください。

実行方法

WSHModule.exe "C:/path/to/myscript.js"
もしくは、 "C:/path/to/myscript.js" を WSHModule.exe にドラッグドロップ

簡単な方法:
  1. WSHModule.exe のショートカットをデスクトップ等に作成
  2. 任意のスクリプト(.js)をショットカットにドラッグドロップして実行

テスト

以下の手順で簡単なテストスクリプトが実行できます。
  1. cd WSHModule
  2. "bin/WSHModule.exe" "scripts/test.js"

ToDo

いろいろと大げさなこと言ってますが以下の項目が未実装です
  • Getter と Setter がない
  • "use strict" が使えない

サンプルコード

Hello World:
alert(' hello   world  !'.split(/\s+/).filter(function(s) {
  return s;
}).map(function(s) {
  return s.charAt(0).toUpperCase() + s.slice(1);
}).join(' ')); // 'Hello World !'

クリップボードを扱う例:
// src/clip.js参照
var clip = require('clip');
var curClip = clip.getAsText();
alert('現在のクリップボード「' + curClip + '」');
clip.setAsText('test');
alert('クリップボードに「test」を設定しました');

ファイルを扱う例:
// fs は Node.js/fs とだいたい同じ仕様になってます(扱えるのはSyncのみ)
// http://nodejs.org/api/fs.html
// http://nodejs.jp/nodejs.org_ja/docs/v0.10/api/fs.html

var fs = require('fs');
console.log(fs.readFileSync(__filename), 'このファイルの中身');


なにかあれば以下のレポジトリのIssues, または @polygon_planet へお願いします。

レポジトリ